ISHII SATOSHI -Kawa no Maker- >> Fly Fishing >> column: フライって大変そう、ルアーとは違って
『フライって大変だね?!ルアーをやったら簡単に飛んだし、てがる!』
ルアーのとっつき易さと比べると、フライは面倒ではある。フライをやってみる人の戸惑いに対し、フライフィッシングの魅力を伝えられたらなぁと思うことがある。
魚を釣るために、なんでルアーよりも面倒なフライをやるのか。それは、その面倒を加味しても面白いから。面倒なのにやる人がいる、フライフィッシングという遊び方。
カスタムして自分好みにしていくのって、時間や手間は掛かるけど、楽しいよね。後で満足できるなら、多少の面倒はあっても熱心になれる。
ルアーは手軽かもしれないけど、実際はそれなりに難しい。あらかじめ難易度が調整されたゲームとは違って、ルアーを投げてリールで巻いてくれば面白くなるとは限らない。手軽に始めたとしても、飽きずに楽しむには工夫も戦略も熱意も必要。
フライフィッシングは人力な部分が結構大きい。人力といっても腕力ではなく、的確に力を使って毛針を飛ばすキャスティングや、自然や魚の要求を観察する知恵や、魚が喰いつく毛針を作る技術、そういう要素に釣果が大きく左右される。道具も複雑だけど、人それぞれの工夫をしてきたからこそで、カスタムのしがいが大いにある。まあ、面倒ではあるけど。
フライフィッシングの魅力で特筆することといえば、やはり餌が魚に喰われてるのが目の前で見えてることだと思う。ルアーでも、ナブラやバチ抜けで明らかに魚が餌を喰ってるのが見えている場面はつい期待が高まる。そういう場面が多いのがフライ。
水面の虫が、同じ魚に2度3度と喰われてる。よしっと集中し、その魚を狙って毛針を水面に流すと、釣れたりする。でも、毛針を喰う寸前でストップし、観察するだけ観察して喰わない奴もいる。そういうシビアなのはデカい奴。息を呑んで天を仰ぐ。逃した大物が脳裏に焼き付き、どうしたら良かったのかと後で振り返ってしまう。これも面倒なことだけど、最高に面白い。次のチャンスではきっと釣ってやりたい。
また、フライで狙おうとすると、豊かな自然環境の中で特定の虫が羽化するタイミングに合わせてとか、特定の川や湖でとか、こだわることが多い。旅行を兼ねながら出掛けるのも楽しい。
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