ISHII SATOSHI -Kawa no Maker- >> Maintenance
革は水の中で鞣(なめ)されるように、「革は濡れたら劣化する」というものではありません。
その前後で雰囲気は変わります。しかし、アウトドアやフィッシングシーンの濡れやすい場面でも使い込んでこそ、アイテムに表情が生まれます。楽しみながら使い、メンテナンスをする、そういう道具にこそ愛着が湧くはずです。
カビの発生を避けるためです。濡れたままビニール袋の中や自動車の中に放置すると、カビが発生しやすいです。濡れたまま風通しないところで、30℃で24時間以上、20℃で48時間以上の放置はしない方が良いです。
濡れた状態でも、風通しのあるところであれば、カビは発生しにくいです。
乾燥させるため等で、およそ60℃以上の熱に晒さないでください。濡れた革は熱によってコラーゲンが変性し、劣化ヒビワレしてしまいます。なお、Water-R Leatherはロウを含むため、45℃以上を避けてください。
東京都立皮革技術センターで”変性”のキーワードで検索すると、コラーゲン変性の詳細が見られます。
濡れている場合は、タオル等で拭いてから、風通しのある場所で乾かします。内側に新聞紙を入れて、時々交換すると早く乾きます。型崩れ防止にもなります。
カビの心配がある夏は扇風機で乾かすこともできます(冷風に限ります)。風を当てると一部が乾き、濡れている箇所と乾いている箇所が生まれ、あまり良くありません。理想的には、均一に水分が乾くようにする方が良いです。革が含んでいる油分や染料、タンニン他が濡れた箇所から乾いた箇所に水分と一緒に移ろうとするため、革鞣しの工程でも急速には乾かさず、カビが発生しない程度で1-2日掛けて乾かします。
天日による乾燥は避けてください。
必要に応じ、以下のクリーニングを行ってください。
丸洗いをしますとオイルが抜けますので、次の項目のオイル補給は必ず行ってください。
オイルを補給すると、革がしなやかになり、ヒビワレしなくなります。
クリーニングの時に丸洗いをした場合は必ずオイル補給をしてください。
オイルが切れると、革繊維同士の結合が次第に壊れ、いずれひび割れます。使ううちにオイルが少しずつ抜けてきますが、 特に濡れた時や、乾かす時は抜けやすいです。濡れて乾燥後は必ずオイルを補給してください。
カビは、湿度・養分・温度の3点が揃うと発生します。2点だけでは発生しません。印象としては、湿度の高さでカビを発生させてしまうことが多いと思います。
要因 | 例 | 対策方法 |
---|---|---|
湿度 | 70%以上の湿度。 濡れた状態での放置。 通風のないクローゼットでの蒸れ。 | 革製品の保管は、湿度が高くならないところにしてください。汗の水分を含んだのは風通しのあるところで乾燥させ、数日以上湿ったままにしないでください。紙袋に入れると、温度差による結露の心配を減らせます。乳化性オイルよりも、油性オイルの方が湿気対策には有効です。 |
養分 (汚れ) | 汗や皮脂汚れ。 | カビが発生するようであれば、湿度に気を付けると共に、汚れも減らすようにしてください。オイルを塗って、オイルと共に拭き取ったり、ブラシで払い落したり、絞った布で水拭きしてください。著しい汚れの場合は、丸洗いも方法の1つです。 |
温度 | 25~35℃くらいの温度。 | 通常使用する上で、温度を対策することはないと思います。 |
カビが発生してしまったら、先ずは豚毛ブラシで払い落とし、絞った布で水拭きしてください。その後、原因をチェックして改善してください。
「革は水に濡らしてはいけない」と話題になることがあります。布などに比べてデリケートな面は確かにあります。では、その言葉に含まれる意味はどんなものでしょう。
革が乾燥する時は、水分と共にオイルも失われる時です。オイルが減るとしなやかさが失われ、硬くなってしまいます。
対処方法: オイルを補給してください。繊維間にオイルが染み込み、しなやかさを取り戻します。オイル補給せずに使い続けてしまうと、革がひび割れてしまいます。
オイルが失われ、繊維が収縮して縮んでしまいます。綿布が濡れると伸び、乾燥すると縮むのと同様です。
対処方法: オイルを補給してください。繊維間にオイルが染み込めば、元に戻ります。革鞣しは、最後に平らに引っ張って乾燥させますが、引き伸ばされていることを考慮せずに製作された革製品は、濡れると縮んでしまって元に戻せないことがあります。
高温での染色が出来ない革の染料は、定着が不安定なためです。水溶性でない、アニリン等の溶媒で染めたものなら心配は少ないですが、染めた綿布等と比べて革の色の定着性は不安定です。
対処方法: 濡れた革は色移りすると普段から気を付けてください。色移りしては困る服と着合わせることは控え、多少の色移りや汚れは雰囲気となるような上着等と合せるのも良い方法です。Water-R Leatherは染料不使用です。革自体となめし剤であるタンニンの色であるため、色移りの心配が少ないです。
ぬれた所とぬれなかった所の境界に汚れや染料が移動すると、部分的な染みが出来てしまいます。水滴によって、輪染みになることもあります。
対処方法: 水性の汚れで、水に溶けます。オイル補給されていない乾燥した革は、輪染みが出来やすいです。輪染みができてしまったら、染みが出来たところも含めて革全体にNatural OILを補給してください。1日程おいてから、濡らした雑巾を絞り、染みの周辺を広く拭いてください。染み汚れを再度水に溶かし、周囲と馴染ませるイメージです。また、長く使ううちに、革に含まれるオイルと水分とが乳化して混ざり合い、それに従って汚れも馴染むということもあります。
他社製の水濡れを避けるべき製品の場合、貼ってあった芯材が剥がれたり、水通ししていないために縮んだり、染められた革の染料が布へにじんだり、金具がさびたりすることがあります。
Water-R Leatherは、条件によってロウが抜けて白くなることがあります。WAXOILを使い、ロウを補う必要があります。Water-R Leatherのロウ抜け補修を行ってください。
より良くお使いいただけるよう診断・メンテナンス・修理を承ります。
内容 | 料金 | 備考 | |
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お問合せ | 不要 | 作業に掛かる日数(約2~3週間)と費用を見積もります。 |
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発送 | 必要 | 送料元払いにてご負担ください。 製作上の不備による修理の場合は、ご連絡の上、送料着払いでお送り下さい。 | |
診断・連絡 | 不要 | コバ磨き・オイルの補給・(ご希望の場合はクリーニング・修理)を診断し今後の予定を連絡いたします。 | |
メンテナンス | コバ磨き | 不要 | 革の断面(コバ)を磨きます。 |
オイルの補給 | 不要 | オイル不足の場合は補給します。 | |
クリーニング | 部分的なもの | 1,080円 | 主に革部分のクリーニングです。(ご希望の場合) |
丸洗い | 4,860円 | 全体のクリーニングです。すっきり、さっぱりします。(ご希望の場合) 丸洗いについて、詳しくはこちら | |
修理 | 製作上の不備によるもの | 0円 | |
使用に伴う糸切れ | 540円~ | ||
革パーツの交換 | 2,160円~ | メンテナンスを怠って、ひび割れてしまった場合などに。 | |
金具の交換 | 1,080円~ | 金具が壊れることは殆どありません。 カシメやハトメ、ホックなどの取り付け不備は、製作上の不備です(無料です)。 |
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ファスナーの交換 | 3,780円~ | YKKの高級ファスナー仕様のため、めったに起こらないはずです。 | |
返送 | 実費 | 掛かった代金を請求して返送します。一度目のメンテナンスの返送費用は以前はメーカー負担としていましたので、その当時に購入されたものは返送費用メーカー負担で返送します。 |
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