ISHII SATOSHI -Kawa no Maker- >> Fly Fishing >> column:釣りでの一場面の記憶
あの場面を思い出すと、とても鮮明に思い出せる。目をつぶると、その行動をしている自分になれる。そのシーンでの行動や気持ち、次に何しようかと思う当時の自分に、今の自分を重ね合わせられる。2、3年前のことも、10年前のことも、20年前のことも。さすがに20年前のことはそう多くはないれど。
その場面の内容というのは、他人からしたら何でもないものだったり、自分でも特別なものでないことも多い。フライロッドの動かし方をちょっと変えたら上手くいった場面や、人に話しかけられて印象に残った場面、一緒に釣りをした人とのちょっとしたやりとりの場面、車に乗せてもらって釣り場に行く車内での場面、そんな些細なことだ。
日常にはそんな些細なことはいくらでもありそうなのだけど、それよりもずっと多く、また強く記憶に残っている。
考えてみると、記憶に残るのは、その時に夢中な態度でいた体験の場面だ。積極的に楽しんでいた時の、その一場面が残っている。
些細な場面以外の、印象的な場面だってもちろん多く覚えている。初めて魚を釣った場面や、それまでよりも大きい魚を釣った場面、初めて一人で車を運転して山に到着した場面。挙げたらきりがないほどのたくさんの一場面が浮かぶ。
人の性格はさまざまで、過去をあまり気にしない人もいるだろう。
私も過去を気にすることは普段はないけれど、記憶に残る一場面をふと振り返ってみると、いい思い出だなあと思える。そして、これからも積み重なっていくんだと思うと、豊かな気分になれる。
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